税務相談 Q & A

☆☆☆ CONTENTS ☆☆☆

  相続税申告書の提出
 
相続税の延納
 
相続税の物納
 
相続財産売却による納税
 
相続財産の登記
 
遺産分割のやり直し
 
   
 

 相続税申告書の提出

(Q)

 平成4年度の税制改正により相続税の申告期限が延長されたとのことですが、相続税の申告はいつまでに行えばよいのですか。
 

(A)

 相続に関する手続きのなかで、遺産分割に並んで重要なのは相続税の申告である。
 しかし、相続税評価額による被相続人の遺産が相続税の課税最低限(遺産にかかる基礎控除額)を下回るときは、相続税の申告を要しない。
 課税最低限の計算は次による。

5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

 遺産は居住用の土地建物だけであると言う相続が多いが、これに200u以下の小規模の宅地についての80%評価減が適用されるので、仮に相続評価額が1億円程度の小規模の居住用不動産を相続したとしても、相続税の課税はなく、相続税の申告を要しないこととなる。
 そのような居住用不動産の他に遺産があり、その課税価格の合計額が課税最低限を超える場合に、はじめて相続税の申告が必要になる。
 相続税の申告は、相続登記と異なりその期限が法定されている。
 この相続税の申告期限は、従来は相続の日の翌日から6ヵ月以内とされていたが、平成4年度の税制改正により平成8年分から10ヵ月以内となっている。
 相続人が2人以上であっても、これに相続人全員が記名捺印し、被相続人の死亡したときの住所地を所轄する税務署に提出する。

 

 相続税の延納

(Q)

 相続税を一度に払えないときは、延納が認められるとのことですが、何年ぐらいの猶予があるのですか。その場合の利子税はどのようになっていますか。
 

(A)

 相続税では、次に示す要件に該当すれば、その税額を分割し、年賦の方法で支払うことを認めている。この延納の手続きは、相続人各人ごとで行うことになっている。

 (1)相続税額が10万円を超えること。
 (2)納期限までに金銭で納付することが困難であること。
 (3)不動産・有価証券等の担保を提供すること。ただし、延納税額
    が50万円未満で、かつ延納期間が3年以下の場合には、担保は
    不要である。
 (4)申告期限までに、延納申請書を提出すること。

 延納ができる期間は原則として5年以内であるが、相続した遺産の中に占める不動産の価額が4分の3以上のときは、その不動産に価額に対応する税額については20年、その他の財産の価額に対応する税額については10年となっている。
 不動産の価額が2分の1以上の場合にも、不動産の価額に対応する税額については15年、その他の財産の価額に対応する税額については10年の延納が認められる。
 延納税額に対する利子税の割合は、原則として年6.6%が認められるが、相続財産に占める不動産の価額が50%以上で、延納期間の特例のあるものについては、3.6%及至6.0%に軽減される。

 

 相続税の物納

(Q)

 相続税の納付方法の特例として、延納の他物納の制度があると聞きました。この場合物納財産の収納価額はどのように決められるのですか。
 

(A)

 物納をしようとするときには、相続税の納期限までに、物納申請書を提出して、物納の許可を受けなければならない。
 税務署は、金銭で納付することが困難であるか否かを調査し、金銭による納付ができないと認めた金額の範囲内で物納を許可する。
 物納にあて得る財産は、次のようにその順位が定められ、第1順位の(1)のうちに適当な価額のものがない場合に第2順位の(2)が認められ、第1順位の(1)と第2順位の(2)に適当な価額のものがないときに第3順位の(3)が認められる。

(1)国債・地方債不動産・船舶
(2)社債・株式・証券投資信託又は貸付信託の受益証券
(3)動産

 財産の収納価額は相続税評価額(課税価格計算の基礎となったその財産の価額)によるから、財産の時価(売却見込額)から売却に伴う所得税住民税を控除した金額が、相続税評価額を下回る場合には、物納が有利となる。
 従って、最近のように土地又は株式の下落が著しく、それらの相続税評価額が時価を上回ることとなれば、物納が増加することとなる。

 

 相続財産売却による納税

(Q)

 父の死亡により相続税を支払うこととなり、その支払いに充てるため相続した不動産を売却したいと考えています。
 そうすると、この不動産には相続税と所得税の双方が課税されることになります。何らかの軽減措置はないものでしょうか。
 

(A)

 相続税支払いのため土地等の相続財産を売却した場合には、その売却による譲渡所得に対して、所得税と住民税が課税されることとなる。
 税額計算の基礎となる譲渡所得は、売却代金から所得価額(土地等の場合この所得価額が不明のときは売却代金の5%とする)と仲介手数料等の譲渡費用を控除して計算する。
 この相続財産の売却について、それが相続税の申告期限から3年以内のときは、次の計算による金額を取得価額に加算する税額軽減の措置が設けられている。

                                課税価格の計算の基礎に算入
                                されたすべての土地の価額
  相続財産を譲渡した者が納付した相続税額 ×                      
                                その者の相続財産価額の合計額

 例えば、1億円の評価額の財産(内土地の価額6,000万円)を相続した者が、そのうちの4,000万円の財産を売却し、既に納付した相続税が1,500万円であった場合の取得価額加算額は次のように計算される。

            6,000万円
  1,500万円 ×          = 900万円
           10,000万円

 この計算により、譲渡所得の金額は900万円少なくなり、それに応じて所得税及び住民税が軽減されることとなる。

 相続財産の登記

(Q)

 父の死亡により遺産を相続することになりました。遺産の主なものは、居住していた土地と建物ですが、この不動産の相続登記はどのように行えばよいのでしょうか。
 聞くところによれば、不動産を相続してもその相続登記はせずにそのままにしてある例が多いとのことですが、何の問題もないのでしょうか。
 

(A)

 土地と建物を所有し、いつまでもそこに住んでいる限りにおいては、わざわざ相続登記をしなくても特に支障はないが、そのままではその所有権の主張はできないので、売却することはできず、登記をせずに相続人が死亡した場合には、その権利関係を戸籍を遡り洗い直す必要があり、面倒な手続きを要することとなる。
 従って、相続後は相続人が協議して、遺産分割協議書を作成し、速やかに相続登記を済ませることが望ましい。
 通常登記申請書には、次の書類を添付しなければならない

(1)被相続人の除籍謄本及び戸籍の付票
(2)相続人全員の戸籍謄本
(3)相続人全員の印鑑証明書
(4)相続人全員の住民票の写し
(5)遺産分割協議書
(6)登記する不動産の固定資産税評価証明書
(7)登記する不動産の権利証

 登記申請書は、相続した不動産の所在する地域を管轄する登記所に提出する。
 相続登記に際しても、登録免許税を要するが、それは登記する不動産の固定資産税評価証明書に記載された評価額(登録価額)に対して0.6%の税率で計算した金額である。ただし、土地の登記については、評価額の40%に対して税率を適用する特例がある。
 登記が完了すると、登記申請書とともに、提出した副本に、受付年月日、受付番号、順位番号の他、登記済みの旨が記載され、登記所印を捺印の上、これが権利証として交付される。

 遺産分割のやり直し

(Q)

 父の死亡後兄弟3人で相続財産を分割し、相続税の申告も終りました。ところがその後次男が、長男の取得した遺産は過大であり、不公平であるから、遺産分割をやり直すべきであると主張しています。
 もし遺産分割をやり直したとすると、相続税の申告についても修正することになるのでしょうか。
 

(A)

 相続税の申告においては、相続人が2人以上の場合には「遺産分割協議書」を作成し、相続人はこれに署名捺印し、印鑑証明とともに、これを申告書に添付する手続きが求められる。
 この遺産分割協議書によって、適法に分割協議が成立していれば、その遺産の分割は、相続開始のときに遡ってその効力を生じ、それぞれの遺産は相続人各人の所有物として確定する。
 従って、この遺産分割をやり直して、長男から次男の相続財産の一部が引き渡されたとすれば、それは相続の修正ではなく贈与として捉えられ、新たに贈与税が課税されると考えなければならない。

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