税務相談 Q & A

☆☆☆ CONTENTS ☆☆☆

  住宅取得資金贈与の特例
 
贈与税の配偶者控除
 
養子の数の制限
 
生前贈与と相続とどちらが得か
 
   
 

 住宅取得資金贈与の特例

(Q)

 長女が来春結婚するので、特例措置により贈与税のかからない範囲で住宅の取得資金を贈与したいと考えています。
どのぐらいの金額まで課税されない取扱いが受けられるのですか。
 

(A)

 子が親から住宅取得資金の贈与を受けた場合に、所定の用件に適合すれば贈与税を軽減する措置がある。
 これを「住宅取得資金贈与の特例」といい、贈与税の計算に贈与額1,000万円までの部分について「5分5乗方式」の計算を適用することを認めている。
 この結果、贈与税の基礎控除60万円が5年分前倒しに控除され、300万円の贈与については60万円の5年分が控除され、税額は生じない。
 500万円を贈与した場合の贈与税の計算は次のようになる。
贈与税の計算方法

 この特例の適用を受けた年の翌年以降44間に、別の贈与を受けたときは、さきの5分された贈与額と合計して、贈与税の計算を行わなければならない。
 特例適用のための要件は次の通りである。

  1. 住宅取得者の父母又は祖父母からの住宅取得に充てる金銭の贈与であること。
  2. その年分の所得が1,200万円(給与所得者の場合には年収1,442万円)以下であること。
  3. 過去5年間に本人又は配偶者の所有する住宅に居住したことがないこと。
  4. 既にこの特例の適用を受けていないこと。
  5. 取得する住宅は、その床面積が50u以上240u以下であること。既存住宅の場合には取得の日前15年以内(耐火建築物の場合は20年以内)に建築されたものであること。
  6. 贈与を受けた日の翌年3月15日までに住宅を新築するか又は取得し、その日までに居住するか、又はその日以降遅滞なく居住する見込みであること。

 

 贈与税の配偶者控除

(Q)

 居住用財産を配偶者に贈与した場合には贈与税がかからず、しかもそれが贈与者の死亡前3年以内の贈与であっても、相続財産に取り込まなくともよいと聞きました。
 居住用財産は金額が大きいのですが、どの位の金額までの贈与について課税されない取扱いが受けられるのですか。
 

(A)

 相続税においては、配偶者が法定相続分まで遺産を取得しても相続税を課税しない軽減措置がある。贈与税においても、居住用財産に限られるが、次の要件による「贈与税の配偶者控除」の制度が設けられている。

  1. 婚姻期間が20年以上である配偶者への贈与であること。
  2. 贈与財産は、居住用不動産又は居住用不動産の取得に充てられる金銭であること。
  3. 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、贈与を受けた居住用財産に居住すること。又は、3月15日までに贈与を受けた金銭で居住用財産を取得し、これを居住の用に供すること。
  4. その後も引き続き、その居住用財産に居住する見込みであること。
  5. 今までに、贈与税の配偶者控除の適用を受けていないこと。
  6. 所定の書類を添付して、贈与税の申告を行うこと。

 以上の要件を満たせば、贈与税の課税価格から2,000万円が控除できる。贈与税の基礎控除60万円を合わせれば、2,060万円が控除額となる。贈与財産は、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭に限られる。
 居住用不動産の場合、土地と家屋、又はそのいずれでもよい。
 居住用不動産は、一般に高額であるから、その全部でなく一部を贈与するのが一般であるが、そのときは分筆・区分等を行うことなく、持分による共有登記を行えばよい。
 例えば、居住用の土地の評価額が5,000万円であるとすると、贈与税の課税を受けない範囲の持分は次のように計算できる。
  2,000万円/5,000万円=0.412
 すなわち、5,000万円の評価額の居住用の土地の1,000分の412を贈与した場合、贈与税の課税はない。
この場合、贈与税の課税はないが、不動産取得税(固定資産評価額の3%)及び登記に当たっての登録免許税(固定資産税評価額の2.5%)の課税がある。
 さらに、この贈与税の配偶者控除の適用に当たっては、相続税の評価の特例である200uまでの小規模宅地の減額の適用はない点に注意を要する。
相続税では、被相続人から死亡前3年以内に受けた贈与財産は、これを相続財産に取り込んで相続税を計算することになっているが、この配偶者の特別控除の適用を受けた居住用財産は、この取扱いから除外される。
 従って、被相続人から死亡前3年以内に居住用財産が贈与され、この特例の適用を受けた贈与財産のうち特別控除額に相当する部分については、死亡前3年以内の贈与であっても、相続財産に加算する必要はない。

 

 養子の数の制限

(Q)

 養子をもらうと相続税の負担が少なくなりますが、相続税の計算上はこの養子の数に制限があるとのことです。どのような制限があるのですか。
 

(A)

<養子による節税効果>
 養子をもらって法定相続人を増加させることにより、相続税法上次のような節税効果がある。

(1)相続税の基礎控除の増加
 基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
 法定相続人の増加により、相続税の基礎控除額が1人当たり1,000万円増加する。
(2)生命保険金の非課税限度額の増加
 非課税限度額=500万円×法定相続人の数
 法定相続人の増加により、生命保険金の非課税限度額が1人当たり500万円増加する。
(3)死亡退職金の非課税限度額の増加
 非課税限度額=500万円×法定相続人の数
 法定相続人の増加により、死亡退職金の非課税限度額が1人当たり500万円増加する。
(4)相続税の累進税率の緩和
 相続税の総額は、基礎控除後の課税遺産額を法定相続割合で分割して相続税を計算する。法定相続人の数が増えると、相続税の累進税率にかかる累進度が緩和されて、相続税の総額が減少する。

<相続税計算上の養子の数の制限>
 養子をそのまま法定相続人として認めることは、相続税の税額が不当に減少するおそれがあるので、相続税の計算上子供として認められる養子の数を、次のように制限している。

 (1)実子がいる場合    1人
 (2)実子がいない場合  2人

 ただし、上記に該当する養子であっても、相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる養子は、法定相続人の数に算入しない。
 なお、民法上の特別養子もしくは配偶者の実子で被相続人の養子となった者又は実子(もしくは養子)の代襲相続人等は相続税法上は実子とみなされる。
 この養子の数の制限は、相続税の計算上における法定相続人に含まれる子供の数の制限であり、相続そのものを侵害するものではない。

 

 生前贈与と相続とどちらが得か

(Q)

 相続と贈与とでは税金の上でどちらが得でしょうか。
 一般に相続税より贈与税の方が負担が大きいから、贈与税を払って贈与するよりも相続まで待った方がよいといわれています。
 しかし、一方において生前に贈与しておいた方が有利であり、税負担は少なくてすむとも聞いています。
 どちらが本当でしょうか。
 

(A)

 相続と贈与は互いに関連があり、生前に財産の一部を贈与しておけば、相続のときにはその財産は相続税の課税対象から除かれることとなる。
 そのため贈与税は、税法として独立せずに相続税の補完税として相続税法の中に規定されている。
 課税最低限である基礎控除額は、相続税の場合は、5,000万円に法定相続人1人当たり1,000万円を加えた金額であるが、贈与税は年間1人当たりわずか60万円に過ぎない。
 税率は相続税・贈与税とも次に示すような超過累進税率をとっているが、同じ課税額に対する税率では贈与税の方がはるかに高く、相続時点まで遺産を分散させないように贈与税によって歯止めをかけているのである。
 基礎控除と税率の点からみれば、生前に贈与せずに相続によって遺産を引き継ぐのが有利と考えられるが、必ずしもそうではない。
 例えば、法定相続分に応ずる取得金額が20億円を超える場合、その超える部分にかかる相続税の税率は70%に達する。20億円を超える部分のうち100万円を生前に贈与したとしよう。そうするとこの100万円について贈与税の基礎控除60万円が適用され、残りの40万円に10%を乗じた4万円の贈与税ですむこととなる。相続時点までもっていれば70万円の相続税が、贈与により4万円に減ることとなる。
 ただし、相続開始前3年以内の贈与財産は、相続税の対象に取り込むことになっているから注意を要する。

相続税・贈与税の速算表

☆☆☆ CONTENTS ☆☆☆ に戻る